キミに拾われ、恋して、知って。〜鬼生徒会長と同居はじめます〜









ところが……。



「なにすんのよ!」


「いつまでくつろいでるんだ」



リビングのソファーで、会長が淹れてくれた温かい紅茶をすすり、すっかりくつろぎモードでいたら、頭の上から山のような洗濯物が降ってきた。


驚いて顔を上げると、そこには冷たい表情で私を見下ろしている会長の姿。


背後に見えるオーラがやたらどす黒い。



「くつろいでる暇があったら、その洗濯物たたんでおけ」


「はぁ!?何で私がそんなこと……!」


「……何で?」



会長の目がギラッと光る。


怖っ!


さっき笑ってたコイツは幻だったんじゃないの!?



「お前まさか、タダで寝泊まりさせてもらおうって気じゃないだろうな……?」


「そ……それは……」


「働かざるもの食うべからず」



蛇に睨まれた蛙状態でビクビクと縮こまる私に、絶対零度の容赦ない視線が突き刺さる。



「掃除、洗濯、食事の準備。家事に関すること全般、もちろんお前にもやってもらうからな。今日は俺が飯を作る。その間にお前はその洗濯物を片付けろ」



こ……これ、全部!?



「めちゃくちゃあるじゃない!」


「しばらく雨で溜まってたからな」



ちょっと待ってよ……。
< 36 / 184 >

この作品をシェア

pagetop