キミに拾われ、恋して、知って。〜鬼生徒会長と同居はじめます〜
「安心しろって言ってるだろ」
会長の手が伸びてきて、私の髪をクシャリと撫でる。
その時の会長の目が意外にも優しげに細められていて、思わず心臓がドキッと跳ねた。
「俺がついてるんだぞ?信じとけ」
「会長ぉ……」
「何がなんでも、全教科70点以上取らせてやる」
……ん?
「生徒会の全権力を駆使して、俺がテストのヤマを張ってやる。それを全力でお前の頭に叩き込めばいいだけの話だろ?」
んんんんん???
「ちょ…ちょっと待っ……」
「テストまで約10日間。果たしてどれだけそのスッカラカンの頭に叩き込めるか、楽しみで仕方ないな」
あ、あれぇぇ〜〜〜!?!?!?
予想を遥かに上回る最悪の展開に今にも泣き出しそうな私。
そんな私を前に、悪魔の尻尾をはやした会長がククッと喉を鳴らして笑ってる。
最悪だ。
これは間違いなく最悪の日々の始まりだ。
この日から、会長の会長によるスパルタ勉強会が始まったのだった。