星夜光、きみのメランコリー
“天香、天香”
放課後の廊下をとぼとぼと歩いていると、太陽の光をつくる色たちが、周りに降り注いできた。
日が長くなったから、この子たちもみんな嬉しそうだ。
“天香、つかれてる”
“つかれてるね、天香”
「…あたし、そんなに疲れてる?」
“どうしたの、天香”
わいわいと寄ってくる色たちに手を伸ばす。ワァっと嬉しそうに弾けた色たちは、そのままあたしの周りで嬉しそうに輝いていた。
どうしたのって聞かれても、よく分からない。
進路のことだって考えなきゃだし、昨日と今日の千歳くんのことだって気になる。絵菜さんのことだって。
千歳くんはどうして今日あたしに挨拶してくれなかったのか。絵菜さんとはどういう関係なのか。付き合っているのかいないのか。だとしたら、どうしてあたしにも色々とドキドキするようなことをしてきたのか。
考えることが山ほどある。
ひとつずつ片付けていかないと、頭がパンクしちゃいそうなくらいに。
そんなことを考えていると、千歳くんのクラスの前に着いた。
千歳くん、いるかな…。
「…千歳くん…?」
そっと覗くと、彼の机の上に、千歳くんの鞄らしきものが置かれているのに気がついた。
それが彼のものだとしたら、まだ学校にいるってことだ。
…どこにいるんだろう。図書室?
でも、トイレに行ってるだけかもしれないし。
でも、会ったからって何を話すの?
朝、あんな態度とられたばっかりなのに。