星夜光、きみのメランコリー
太陽がだんだんと沈み始めて、オレンジの割合が小さくなってきたのを背景に、じっと記憶を追っていく。
薄い笑いを浮かべている男性に、うーんと頭を悩ませていると。
「アレッ。千歳が女の子といるなんて、珍しいじゃん」
背中から、被さるように聞こえてきた声。
突然聞こえたそれに、一瞬身体が跳ねた。
ドクドクと波打つ心臓とともに、ゆっくりと後ろを振り返ると、そこには今見つめていた男性と同じ顔があった。
「おっ?それ、俺じゃん」
…この世界でいう、青い髪。一色くんは黒で描いていたけど、確かに見たことのある色だ。
変わった色たち。一色くんの時もそう思ったけど、この色もなかなかだ。
「なんだよ、そんなに俺に会いたかった?」
「ちげーよ。人に仕事なすりつけといて遅ぇなクソ男って思いながら描いてた」
「ひどくね?」
王子と呼ばれている一色くんに、負けず劣らずのかっこいい顔。整っている。きれいな顔をしている一色くんに比べて、いわゆる『イケメン』な顔だ。
…この人のこと、知ってる。見たことがある。学年でも有名だ。でも、一色くんと仲良しなんだってことは、知らなかった。
名前、なんだっけ。
「初めまして。美作 右京(みまさか うきょう)です」
まるであたしの心を読んだかのように、にっこりと微笑んでそう自己紹介をしてくれたミマサカくん。
…そうだ、ウキョウくんだ。変わった名前だから、聞き覚えがある。
前に、ミーハーな千種も話していたことがあった。