きみだけに、この歌を歌うよ
「いや……デートじゃないよ。ただ、近所だからよく会うってだけ」
「そうなのか?あ〜……なら良かった。マジで良かった…」
安堵したようにため息をもらす愁は、私と九条くんが付き合ってるって思っていたみたいだ。
「あははっ、愁ってなんでそんなに不安がりなの?デートだなんてそんな関係じゃないってば!」
付き合っていたころを思い出してしまって、思わず笑ってしまった。
『アイツいま、菜々のこと可愛いなって目で見てた』
とかって、愁はよく不安そうに言っていた。