きみだけに、この歌を歌うよ
「ん?時間?どういう意味?」
九条くんと…離れ離れになりたくない。
そんなことを、思ってしまった。
「あっ、見ろよ菜々。あの花火はなんのキャラクターだっけ……ほら、あのネコみたいなやつがリボンしてるやつ」
そう言って九条くんは、珍しくはしゃいだように空を見上げていた。
楽しそうな、明るい笑顔。
もっともっと、九条くんのとなりにいてその笑顔を見ていたいな。
声だってずっと聞いていたい。
あらためて思う。
私は、九条くんのことが好き。
誰よりも、いちばん好きだなって。