神様修行はじめます! 其の五のその後
『『用のない者は通させぬ』』


「だから、用ならあるんだってば! しかも急用! マジメに切迫してんのよ!」


 そもそも、なんで穴爪ネズミがここを通れたの?


 たとえ地中からといえども、狛犬ブラザーズの目を盗んでこの門を通り抜けられるはずがないのに。


「なんで通したの? あ、まさかの職務怠慢か?」


『『穴爪ネズミは、本来は敷地の中にいるべき存在ではない。二度とここには戻らぬという条件で、あるべき場所へ帰したまでのこと』』


「二度と戻らないって……戻ってきてもらわないと困るんですけど! 早くあたしを通して!」


『『お前も二度とここへ戻らぬのならば、通すとしよう』』


「それ、ただの強制送還じゃん! やっぱりあんたら、あたしのことが嫌いなんでしょ!」


『通りゃんせ』みたいな押し問答している時間はないんだってば!


 そういえばこいつら、絹糸にはぜんぜん頭が上がらないんだっけ。


 戻って絹糸を連れてきてビビらせてやろうかな? でもその間に穴爪ネズミが遠くに逃げちゃう。


「早く開けて!」


『『用のない者は通させぬ』』


「とっとと開けんかーい!」


『『用のない者は通させぬ』』


「これ以上メンドくさいこと言うなら、あたしの滅火の炎をおみまい……!」


 ―― バタ――――ン!


 怒鳴り合いの途中で、なぜかいきなり正門が全開になって、あたしと狛犬ブラザーズがポカンと口を開けた。
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