神様修行はじめます! 其の五のその後
 そしてバタバタと一目散に逃げていく。


「待って!」


 こうなったら追いかけるしかない。


 しま子の記憶が戻る唯一の手段を、ここで見失うわけにはいかないもの。


 後のことは捕まえてからゆっくり考えよう! 


 生きて帰れないかもしれないけど、たぶん大丈夫。人間、大抵のことは成せば成るのだ!


「お願い待って! 話を聞いて!」


 追いかけながら、ネズミに向かって必死に訴える。


「あなたの中の、血が欲しいだけなの。 血! あなたの血をちょうだいぃー!」


 血ぃ血ぃ絶叫しながら必死で追いかける。


 途中で、


『あれ? もしかしてこれって余計にビビらせてる?』


 ってチラリと思ったけど、このさい自分の発言を顧みている余裕はない。


 夢中で走るあたしの周囲では、ありえないほど短時間で、目まぐるしく景色がグルグル移り変わっていた。


 おお、空間、バッチリ歪んでる歪んでる。


 もう自分がどのへんを走ってるんだかまったく分からんぞ。
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