神様修行はじめます! 其の五のその後
 宝珠の力を借りて、空間転移で鬼たちを異界へ強制送還してくれたんだ。


 いくら門川の宝物を使ったとはいえ、よくまあ、鬼を4匹同時に異界まで送り返せたもんだ。


 これは門川君だから可能な技だろう。


 同じ絵の具を使って絵を描いたとしても、凡人と天才画家の描いた絵じゃ、ぜんぜん比較にならないのと同じに。


「良かった……」


 お腹の底から声を吐き出して、あたしはガクーッと脱力した。


 もっと門川君の偉業を派手に褒め称えたいところだけど、喜びよりも安堵感の方がはるかに大きい。


 それにどうせ、どんなに言葉を尽くして褒めたところでこの人は、


『どうもありがとう』


 って、インプットされた人工知能みたいに無表情に答えるだけだし。


 ところでみんなは無事かな?


 周りを見回すと、絹糸や塔子さんやセバスチャンさんやジュリエッタが、門川君の治癒の術光の中で座り込んでいる。


 マロさんも、お岩さんも凍雨くんも、彼らの側に寄り添っているのが見えた。


 良かった。全員無事……


「……しま子!」
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