神様修行はじめます! 其の五のその後
「し、しま子ちゃん? どうしたの? べつに頭なんか下げなくてもいいのよぉ? お姉さん、怖くないからねぇ?」
初対面の幼稚園児に話しかけるみたいに、ドキドキしながら裏声で話しかけた。
記憶が混乱してるなら、できるだけ刺激を与えないようにしないと。
なんかの拍子で、せっかく戻った記憶が耳のあたりからボロッと落っこちたら大変だ。
しま子がおずおずと頭を上げる。
申し訳なさそうに伏せた目には涙が浮かんでいて、両手の太い指をモジモジさせて、あたしに向かってペコペコ頭を下げている。
その仕草と表情を見た瞬間、しま子の心の声が聞こえた気がした。
『あのね……。忘れちゃって、ごめんね……?』
…………。
しま子……謝ってるんだ……。
とたんに胸の奥がすごい力で締め付けられたみたいにグウゥッと痛んだ。
この痛みは苦しさなのか、切なさなのか、自分でもわからない。
とにかく言葉にならない感情が体の芯からどんどん湧き上がって、それが涙になって両目からバーッと噴き出す。
なんで謝るのさ。
しま子の、バカ!
しま子が謝ることなんか、ひとっつもないでしょおぉぉ!
初対面の幼稚園児に話しかけるみたいに、ドキドキしながら裏声で話しかけた。
記憶が混乱してるなら、できるだけ刺激を与えないようにしないと。
なんかの拍子で、せっかく戻った記憶が耳のあたりからボロッと落っこちたら大変だ。
しま子がおずおずと頭を上げる。
申し訳なさそうに伏せた目には涙が浮かんでいて、両手の太い指をモジモジさせて、あたしに向かってペコペコ頭を下げている。
その仕草と表情を見た瞬間、しま子の心の声が聞こえた気がした。
『あのね……。忘れちゃって、ごめんね……?』
…………。
しま子……謝ってるんだ……。
とたんに胸の奥がすごい力で締め付けられたみたいにグウゥッと痛んだ。
この痛みは苦しさなのか、切なさなのか、自分でもわからない。
とにかく言葉にならない感情が体の芯からどんどん湧き上がって、それが涙になって両目からバーッと噴き出す。
なんで謝るのさ。
しま子の、バカ!
しま子が謝ることなんか、ひとっつもないでしょおぉぉ!