つちかぶりひめ


「若葉の姫は、今年で何歳になる?」

「15になるの。十夜様は??」

「16かな」

「じゃあ、一つ上なのね!」



「得意な芸は?」

「弦楽かな。姫は?」

「私は絵かなぁ」

「じゃあ今度見せてよ」


他愛のない会話に花を咲かしていれば、あっという間に夜があける。


「これから、昼間はもう抜け出しにくくなるんだ。だから、また夜に会いにきてもいい?」


「もちろん!待ってるわ!」



「またね」と言い残し、日が昇りきらないまだ薄暗い外へと十夜は去っていった。




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