俺様社長に甘く奪われました

「うまいな」
「……あ、りがとうございます。ところでいったい……?」


 どんな用事があってこんなところまで来たのか、莉々子が首を傾げるのも当然だ。


「一緒に行ってもらいたいところがあるんだ」


 望月はそう言いながら、指についたシロップをチュッと舐めた。


「一緒に……? どこへですか?」
「それはこれに着替えてから教える」


 持っていた紙袋を望月が突き出す。そこには有名ブランドのロゴが印刷されていた。


「……これはなんですか?」


 無理やり手渡された紙袋に莉々子が手を入れると、中から出てきたのは膝丈の白いワンピースだった。ワッフル素材でウエストが少し絞られ、清楚な印象のものだ。


「莉々子が着替えるんだ」
「え? 私が? ……どうしてですか?」
「質問は着替えてから受け付ける」

< 115 / 326 >

この作品をシェア

pagetop