俺様社長に甘く奪われました
「うまいな」
「……あ、りがとうございます。ところでいったい……?」
どんな用事があってこんなところまで来たのか、莉々子が首を傾げるのも当然だ。
「一緒に行ってもらいたいところがあるんだ」
望月はそう言いながら、指についたシロップをチュッと舐めた。
「一緒に……? どこへですか?」
「それはこれに着替えてから教える」
持っていた紙袋を望月が突き出す。そこには有名ブランドのロゴが印刷されていた。
「……これはなんですか?」
無理やり手渡された紙袋に莉々子が手を入れると、中から出てきたのは膝丈の白いワンピースだった。ワッフル素材でウエストが少し絞られ、清楚な印象のものだ。
「莉々子が着替えるんだ」
「え? 私が? ……どうしてですか?」
「質問は着替えてから受け付ける」