俺様社長に甘く奪われました

「交換条件だ。ビジネスの世界だって、いっぽうの利益ばかりを追求できないだろう?」
「私とのことは仕事と同じなんですか?」
「もののたとえだ。とにかく奏多と呼ぶように。ほら、練習だ」


 知らず知らずのうちに尖った莉々子の唇に望月が口づける。


「この先がほしかったら、呼ぶんだな」


 なんて横暴なと莉々子は思ったが、この状況で突っぱねることができるはずもない。


「……奏多さん」


 唇の先のほうでこそっと呼ぶ。
 すると満足そうな笑みを浮かべた彼は、莉々子をその場に組み伏せ甘いキスをくれた。

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