俺様社長に甘く奪われました

◇◇◇

 その日の夜、莉々子が真紀とやってきたのは、ふたりでよく行く洋風居酒屋【アンゴラ】だった。洞窟風の店内では、イタリアンやスペイン料理などの地中海料理が食べられる。
 ふたりのお気に入りは、牛肉のシェリー煮込みとひよこ豆のイタリアンスープ。初めて注文したモッツアレラチーズをふんだんに使ったズッキーニの挟み焼きがおいしくて、つい酒の進みも早くなる。


「あれから社長となにか進展はあった?」


 いきなり核心を突いた質問をされたものだから、莉々子は「えっ?」と驚いて固まってしまった。


「……その反応はどういうこと?」


 ニンマリと笑みを浮かべた真紀が、探るように莉々子を見つめる。


「どういうって、べ、別に……」
「なにかあったでしょ」


 あまりにも鋭く問い詰められ、莉々子はなにも返せない。


「ほんと莉々子ってわかりやすいなぁ。動揺しすぎだから」

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