俺様社長に甘く奪われました
奏多は莉々子ごとバスタブから出ると、パウダールームで丁寧に彼女の髪と身体を拭いた。莉々子はおとなしくされるがまま。着替えがないことに遅ればせながら気づき、今夜は彼のパジャマを借りることになった。当然ながらぶかぶかで、袖も足元も何重にも折る有様だった。
莉々子が運ばれたベッドルームは、落ち着いたブラウン系のベッドリネンと、壁には同色の三種類のグラフィック柄がホワイトフレームに飾られたシックな部屋。
大人が三人寝られそうな大きなベッドに奏多とふたりで横になる。今夜から三日三晩、こうして一緒に過ごすのかと思うと嬉しい反面、その時間が終わるときのことを早くも考えて莉々子は寂しくなった。
「ひとつ聞きたいことがあるんです」
奏多の腕に抱かれながら、莉々子が目線を上げる。
「奏多さんは今までモテてきたでしょうし、それこそどんな女性だって手に入れられたのに、どうして私なんですか?」
三年も前のたった一度の身体の関係を、奏多がずっと忘れられなかったことが未だに信じられない。これまで誰ひとりとして母親の百合に紹介しなかったこともまた。
「俺に近づくのは、たいていが富と名声に目が眩んだ女ばかりだ」