俺様社長に甘く奪われました
◇◇◇
奏多と過ごした週末が終わり、月曜日の朝。総務部へ入った莉々子は、みんなから痛烈な歓迎をされてしまった。
「もー! 莉々子さん、なにやってんですか! コーヒーカップで手を切るなんて、どれだけドジなんですかー!」
「まぁまぁ松永くん、落ち着いてくださいよ」
興奮気味に莉々子のそばにやってきた松永を木村が宥める。
「莉々子ちゃん本人が一番驚いただろうから。通りがかった社長が手際よく病院へ連れていってくれたと聞いていたから、私はそれほど心配していなかったんですけどね。いや、大したことがなくてよかったですね、莉々子ちゃん」
「はい、本当に……。ご心配をお掛けして申し訳ありませんでした」
莉々子は頭を深く下げた。
あそこで奏多がいなかったら、おそらく莉々子もパニックになっていただろう。
「とにかく気をつけてくださいよね、莉々子さん。今回は大事に至らなかったからよかったですけど」
「うん、ごめんね、松永くん」
松永は腕を組み、「もういいですよ」と言いながら自分の席へと戻った。