俺様社長に甘く奪われました

「それにしても、社長が随分と華麗だったらしいじゃない? 颯爽と現れてサッと莉々子を抱き上げて。あとの処理の指示もテキパキとしてたって、目撃した人が話してたよ」
「私もその素早さにはびっくりした」


 気づいたときには、もう車に乗っていたという早業だった。


「ただでさえ人気があるのに、これで社長の株がまた上がるね。で、莉々子はその社長と付き合ってるわけだ」


 本当にすごい人の彼女になってしまった。
 ふたりでいるときにはあまり深く考えないが、こうして第三者から言われると、莉々子は改めてそう実感してしまう。


「なんだかんだ言って、よかったじゃない、莉々子。同じお金持ちのイケメンでも、元彼とは違う人格だしね。この様子なら、きっと莉々子のことを大事にしてくれる」
「うん、そうだね」


 それはこの二日間で身を持って莉々子が思い知ったこと。大切にしてくれていることは、奏多の言動すべてから感じられた。百合から歓迎されたことも、莉々子の自信につながっているのかもしれない。


「あ、志乃さんだ」

< 194 / 326 >

この作品をシェア

pagetop