俺様社長に甘く奪われました

 その提案に莉々子は首を横に振る。過去に引きずられるわけにはいかない。


「ホワイトレディをください」


 直接バーテンダーにお願いした。


「シャープな味を好むようになったの?」
「……そういうわけじゃないけど」


 しばらくしてカクテルが出されると、祥真が「再会に」と言ってグラスを傾ける。
 それを無視して口をつけると、確かにちょっとシャープな味わいでアルコールが強い気がした。


「結婚したんだね」


 彼の左手に視線をやってから、莉々子が再び前へと戻す。


「莉々子と別れた半年後にね」


 それでは、もしかしたら二股だったのかもしれない。ちょっとした遊び心で自分と付き合っていたのか。


「莉々子、今、二股だったの?って思っただろ」
「な、なんでわかったの?」


 鋭い指摘に莉々子の目が泳ぐ。

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