俺様社長に甘く奪われました

「莉々子の元彼だからね」


 祥真は“元”を強調して笑った。


「でも違うよ。二股はしていない。それで、莉々子の聞きたいことってなに?」
「私が聞きたいのは……」


 そこで言葉を止め、莉々子はホワイトレディを一気に飲み干して勢いをつける。


「最初からそれほど好きでもなかったなら、どうして私と一年半も付き合ったの?」


 ずっとくすぶり続けていた疑問を思い切ってぶつけると、祥真は深いため息を漏らした。


「……そのことか」


 言い訳でも探しているのか、しばらく黙り込んでから祥真が莉々子を見る。その目がどこか寂しげに見えて息が詰まった。


「ちゃんと好きだったよ、莉々子のこと」
「……なに言ってるの? 私のこと振ったときの言葉、忘れちゃったの?」
「忘れてないよ。忘れられるはずがない。ずっと心に引っかかったままだった」


 祥真の瞳が揺れる。

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