俺様社長に甘く奪われました

「お祓いしてもらったほうがいいかもしれませんよ? 目に見えないものの恨みだったら怖いですからねぇ」


 松永に妙なことを言われ、急に不安になる。

(……恨み? 私、知らないうちにどこかで誰かに恨まれてるの……?)

 ふと昨日の背中を誰かに押される感触が蘇り、小さな恐怖が芽生える。
 もしも本当にそうなのだとしたら誰に……。


「莉々ちゃん、足、大丈夫?」


 隣から志乃が心配そうに莉々子を見つめた。


「はい、なんとか」
「そう。気をつけてね」


 志乃の言葉にうなずいていると、木村が腕を組んで困惑顔を浮かべながら総務部に入ってきた。


「困りましたね。うっかりしてしまいましたよ」
「どうしたんですか?」
「実はですね、養生用のテープを切らせてしまったんですよ」

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