俺様社長に甘く奪われました
「……莉々子、大丈夫か?」
「奏多さん、どうして……?」
すぐさま起き上がり、奏多に手を貸す。
アスファルトに打ったのか、奏多は肘を抑えながら上体を起こした。座った状態のまま莉々子を抱き締める。
「無事でよかった……」
そう言われて、たった今自分の身に起きたことを悟った。
今、確かに背中を押された。それは莉々子の勘違いなどではない。
「腕、大丈夫?」
「……ああ、大したことはない」
奏多がそっと微笑む。
「でも、どうして奏多さんがここに?」
「航空券の手配を頼もうと総務部に内線したら、莉々子が外出したって聞いて慌てて追いかけた」
どうりで息が切れているわけだ。奏多は肩を弾ませていた。
だが、まるで莉々子がなにか危険な目に遭うのがわかっていたような様子なのはどうしてなのか。