俺様社長に甘く奪われました
莉々子の疑問に感づいた奏多が「昨日も変なことがあったから心配だったんだ」と付け加える。
「……ごめんなさい、心配をかけて。それと迷惑も……」
仕事の途中で突然会社を飛び出す羽目になるとは。いよいよ上田に叱られてしまいそうだ。
(でもやっぱり私、誰かに恨まれているんだ……)
そう思わざるを得なかった。
「よし、戻ろう」
「待ってください」
手を引いて立たせて歩き出そうとする奏多を呼び止める。
「私、テープを買ってこないといけないんです。ダクトの清掃に必要で」
「それなら手配を上田さんに頼んである。間もなく総務部に届くだろう」
「え? そうなんですか?……なにからなにまですみません……」
またしても奏多に助けられてしまった。頭が上がらない。