俺様社長に甘く奪われました
「祥真、こんなことはやめて、もう帰ろう」
そう言った彼女を祥真がじっと見つめる。その目がほんの一瞬だけ違うほうへ逸れてから、再び莉々子へと注がれ、それがどこか思いつめたように見えてつい身構えた。
「……祥真ってば」
妙な空気になるのを恐れて明るく問いかけた瞬間、莉々子は手を取られ、一瞬にしてソファに押し倒された。
「しょ、祥真!?」
拘束された手に力が込められる。莉々子を見下ろす目は、逸らす隙すら与えようとはしない。すぐに近づいてきた祥真の顔から逃れられず、ギュッと目を閉じたときだった。
「莉々子!」
聞こえるはずのない声に耳を疑う。反射的に目を開けてみれば、信じられないことに、そこには奏多の姿があった。躊躇うことなく祥真を弾き飛ばし、奏多が莉々子をそこから助け起こす。あまりにも目まぐるしい展開についていけず、莉々子の頭と心は混乱の中。奏多に「大丈夫か!?」と聞かれても、なにも答えられなかった。