俺様社長に甘く奪われました
奏多の手が震えていることに気がついた。握った拳がふるふると揺れている。
「……莉々子を守るためには仕方なかったんだ」
(私を守るためって、どういう……こと……?)
絞り出すようにした奏多の声が、切なく胸を突く。
「だが……」
そこで言葉を止めた奏多が、毅然とした目で祥真を見て続けた。
「それが間違いだったとわかったから、こうしてここへ来た」
「今さらですか」
祥真が鼻でせせら笑う。
「今さらなことは承知の上。相沢社長にどう言われようが、莉々子は誰にも渡さない」
きっぱりと言い切る奏多を莉々子は茫然と見つめた。
とても現実とは思えない展開を前にして、次第に鼓動が速くなっていく。