俺様社長に甘く奪われました

「さてと、用事も済んだことだし、俺はそろそろ帰るとするか」


 ソファに置いていたスーツのジャケットを手にとり、祥真がドアへと向かう。


「祥真、待って」


 莉々子が思わず呼び止める。


「あ、そうだ。言い忘れたけど、この部屋はふたりにプレゼントするよ。支払いは済ませていくから心配いらない」
「でも……!」


 そういうわけにはいかない。


「三年前に莉々子を傷つけたお詫びだ。遠慮なく受け取ってくれ。そのかわり、今度こそ望月奏多から離れるなよ」
「祥真……」


 祥真は顔いっぱいに笑みを浮かべたあと、奏多を見て真顔になった。


「望月社長、莉々子を頼んだよ」
「……二度と彼女の手を離さないと約束する。……ありがとう」


 奏多の言葉に満足そうにうなずいた祥真は、今度こそ本当に部屋を出ていった。
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