俺様社長に甘く奪われました
◇◇◇
「莉々子……」
名前を呼ぶ奏多の愛しい声が聞けた朝は、これまで迎えたどの朝よりも幸せに満ちている。彼の腕に抱かれて目覚めながら、まだその余韻に浸っていたくて莉々子は目を閉じていた。
シャンパンの飲みすぎで意図せず奏多と過ごしたスイートで、愛を確かめ合うことができるなんて夢のようだ。
「莉々子」
もう一度名前を呼んでから、奏多が唇を優しく押し当てる。莉々子がゆっくり瞼を開けると、奏多は「やっぱり起きてた」といたずらっぽく笑った。
奏多にキスをされて、寝たふりのままではいられない。
「もう一回キスしてください」
莉々子のおねだりに微笑みながら、奏多が優しく口づける。抱き締め合い、触れ合うのは昨夜のままの素肌。逞しい腕に抱かれて莉々子が思うのは、やはり幸せだということ。再びそれを手にできた実感に胸が震えた。