俺様社長に甘く奪われました
◇◇◇
その週末を奏多と過ごした莉々子は、再び彼の運転する車で出勤することとなった。
脅迫文を送ってきた相手がわからないのは、なによりも怖いことだった。奏多が一度は警察に相談したものの、恋人を標的にしたものは脅迫の罪に問えないと無下なく言われてしまったとのこと。
頼みの綱は、奏多の顧問弁護士である田崎だ。犯人に繋がるものがないかと、いろいろ探ってくれていると聞き、莉々子はそれに期待を託した。
莉々子にできることは、とにかく警戒すること。奏多と復縁したことをいつどこで嗅ぎつけられるかわからない。職場ではひとりになることを避け、それ以外ではなるべく奏多と一緒にいられるようにした。
とはいえ、奏多は多忙な社長。莉々子につきっきりというわけにはいかない。そんなときには事情を話してある真紀がそばにいてくれることになっている。
そうして何事もなく十日が過ぎた夜、莉々子は久しぶりに真紀と地中海料理を食べられるアンゴラへやってきた。奏多は取締役たちとの会議後に弁護士と会うことになっている。
自分もその話し合いの場に行きたいと言ってみたものの、『あまり物騒な話を莉々子の耳に入れたくない』と奏多に断わられてしまった。
「莉々子はなににする?」