俺様社長に甘く奪われました

 そうしてふたりでメニューを見ているときだった。


「莉々ちゃん、真紀ちゃん」


 掛けられた声に真紀と揃って顔を上げると、志乃が手を振りながらふたりのテーブルに近づいてくるところだった。


「志乃さん、おひとりですか?」
「そうなの。高校時代の友達と約束していたんだけど、急用ができたって振られちゃった」


 志乃がかわいらしく肩をすくめる。


「それじゃ、ご一緒にいかがですか?」


 真紀とふたりで誘うと、志乃は「それじゃ、お邪魔しちゃおうかな」と真紀の隣に腰を下ろした。

 あれもこれもと料理を注文し、取り皿に取って食べ始める。


「約束していたのって、もしかして彼氏ですか?」
「ううん、違うわよ。残念ながら同性の友達」


 真紀の質問に志乃が微笑む。

< 298 / 326 >

この作品をシェア

pagetop