俺様社長に甘く奪われました

 気にしていない素振りを装いながらも、全神経を右隣に注ぐ。


「ひとり?」
「は、はい……」


 莉々子が恐る恐るそちらを見たときだった。


「あの……」


 後ろから掛けられた声に望月と揃って振り返ると、そこには莉々子と同年代くらいの女性が三人立っていた。望月の知り合いだろうか。


「望月さん、今夜こそはご一緒させてください」


 真ん中の女性がそう言う両脇で、ふたりの女性が胸の前で手を組んで一心に望月を見つめる。


「悪いけど連れがいるんだ」


(連れってもしかして……私?)

 莉々子がポカンとしていると、望月が突然彼女の肩を引き寄せる。振り返った状態だったものだから、変な体勢で彼の胸に抱き込まれてしまった。

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