俺様社長に甘く奪われました
背もたれに身体を預け、望月がニヤリと笑う。
その言葉に莉々子はギクッとしてしまった。痛いところを突かれて反撃ができない。
「……と、とにかくああいうことはもう……おやめください」
望月を論破することは無理だろうと諦め、莉々子は要望だけを伝える。
「それじゃ莉々子に用事があるときは?」
「私に用事を作らないでいただけると……」
仕事上ならともかく、今回のようなことは勘弁してほしい。総務部のみんなにからかわれて大変なのだ。
ところが望月は再びデスクに両肘を突いて手を組み、「そういうわけにはいかない」とやけに強い視線で莉々子を見た。
望月の言いたいことがひとつとしてわからない。
「この前も言っただろう。莉々子の考えを矯正すると」
「……矯正、ですか?」
この前の夜は途中から記憶が曖昧で、莉々子は望月と話した内容を途中からほぼ覚えていない。高級シャンパンで気持ちがよくなり、それ以外のことはぼんやりと霞みがかかったようになっている。