俺様社長に甘く奪われました
「全部。どうして社長がそこまでムキになって莉々子さんを友達に紹介するんでしょうか」
「そ、それは……。とにかく私が断るには、彼氏を連れていかなきゃならないの。それで、その役を松永くんにやってもらいたいの。松永くんしかいないの。だからお願い。今度おいしいものをご馳走するから!」
なりふり構ってはいられない。莉々子が必死になってお願いすると、松永もようやく「わかりましたよ」と納得してくれた。
「今回だけですからね? おいしいものも金に糸目をつけないって約束してくださいよ?」
なんとも恐ろしい念押しをして、彼は総務部の中へ戻っていった。