計画的恋愛
「わかったよ。でも交換条件。指輪はちゃんとつけて」

暁君はそう言って私の結婚指輪を親指と人差し指で挟んで見せた。

昨日外してリビングのカウンターに置いておいた指輪を見つけたようだ。


「……嫌」

「それならついていくよ?」


そう返されて私は仕方無く、笑顔の暁君に無言のまま左手を差し出す。

再び左手の薬指に嵌められた指輪。

初めて見た時には幸せな気持ちしかなかったのに、今は冷たい感触しかしない。


「絶対に外さないで。魔除けになるから」

「……」

そして無言の私にお弁当箱を差し出した暁君。

「あとお弁当。ちゃんと食べてね。俺はひよが帰ってくるのを、ここで待ってるよ」


私は無言でお弁当を受け取った。
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