クールな部長は溺甘旦那様!?
「う、うん……まだ、思ってる」

本当のことを言えば、私だって内勤ではなく外回りの営業でバリバリやっていた頃に戻りたい。内勤の仕事も大切だけれど、どうしてもあの忌まわしい過去を思い出してしまう。

「私と違って莉奈はもう帰れるんでしょ? 羨ましいよ、私はこれから書類作成しなきゃいけないし、また時間がある時に飲みに行こうね!」

羨ましい……か。

悪気があって言ってるわけではないのはわかっているけれど、内勤は楽でいいね、と言われているようで少し複雑だった。そして亜美は「じゃあ」と手を振ってエレベーターホールに歩いて行った。

いけない、時間に遅れちゃう!

沈みかけた気持ちを切り替えて、私は約束の渋谷駅へ向かった。

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