メーデー、メーデー、メーデー。
「はい。この度は大変申し訳ありませんでした!!」
崩れ落ちる様に床に膝と手をつき、平伏す様に頭を下げた。
「え? 何してるの?」
突然土下座しだしたオレに驚く学長。
「学長のお話というのは、木南先生の件ですよね?」
恐る恐る呼び出し理由を確認すると、
「うん、そう。よくやったね、柴田くん」
要件は木南先生の事で間違いないのに、何故か褒められた。
「…え?」
予想外の展開に、こっちも驚き顔を上げる。ギリアウトだと思っていたが、ミラクルセーフだったのか?
「柴田くんが木南先生を呼び戻してくれたおかげで、有名作家の野村先生の命が繋がった。野村さん、雑誌の連載コラムやインタビューで、この病院を高く評価してくださっているらしいんだ。柴田くんのお手柄で、この病院の評判はうなぎ上りだよ」
学長が『素晴らしいよ』と言いながら、オレの両肩をガッチリ掴んだ。