メーデー、メーデー、メーデー。
「…イヤイヤイヤ。助かりますけども」
中から出てきたのは、社食の食券3万円分だった。
嬉しいは嬉しいが、現金だと思い込んでいた為、全力で喜べない。
木南先生が『ぶはッ』と吹き出し、
「ここはそういう病院」
とお腹を抱えた。
楽しそうに笑う木南先生が、またもやオレの涙腺を刺激する。
やっぱりオレはこれからもずっと、木南先生に馬鹿にされながら、嫌味を言われながら、それを言い返しながら、ふざけ合ったり、真面目な話もして、笑い合いたいし、叱られたいし、どうしても木南先生に、生きていて欲しい。
木南先生が折角笑ってくれているのに、涙なんか見せてこの空気をぶち壊してたまるかと、
「知ってたんですか? 金一封の中身」
不自然なほどに目を大きく開けて、眼球を乾燥させながら会話を続ける。
「私、何回か学長に呼ばれて花束も金一封も貰った事あるもん」
『ふふふ』と笑い続ける木南先生を、『何回も学長室に呼ばれるとか、やっぱ凄い人なんだな』と改めて尊敬する。