メーデー、メーデー、メーデー。
「山本蓮くんが亡くなって早瀬先生が辛かった様に、木南先生だって心を痛めていたんですよ。桃井さんが早瀬先生を慰めたいと思った様に、私だって木南先生の気持ちに寄り添いたいと思っただけですよ。木南先生はオレの尊敬する大事なオーベンですから」
本当は半分当て付けだったが、そこは割愛して嘘偽りのない半分だけの事実を話した。
「本当にそれだけですか?」
早瀬先生が念を押す様にオレに問質す。
誰がどう見ても師弟関係にしか映らないだろう木南先生とオレを、どうしてそんな風に勘違い出来るんだ、早瀬先生は。勘違いが迷惑すぎる。てか、そんな甚だしい思い違いをしてしまうという事は…。
「…早瀬先生、もしかして、今でもやっぱり木南先生の事…」
「私にそんな資格ないでしょう」
『好きか嫌いか』を答える質問を拒む様に、早瀬先生は表情に寂しげな影を落としながらオレの横を通り過ぎると、木南先生の病室に入って行った。