メーデー、メーデー、メーデー。

 「…何でもいいですか? ずっと気になっていた事があるの」
 
 シカトを決め込んでいると思われた木南先生が、口を開いた。
 
 「はい。どんな事でも仰ってください」
 
 早瀬先生が嬉しそうに返事をした。
 
 「息子と昔の彼女の命日が一緒って、お墓参りが1日で済むから都合が良いの? それとも1日に2箇所にお参りに行かないといけないからしんどいの? どっち?」
 
 しかし、木南先生の口から出てきた言葉は、早瀬先生の心臓を抉る質問だった。
 
 「…物凄い嫌味を言うんですね、木南先生。どっちでもないですよ。考えた事もないですよ、そんな事」

 あまりにも酷い木南先生の質問に、早瀬先生は怒っているのか悲しんでいるのか、声を震わせながら反論した。

 「…言わせなさいよ、この程度の嫌味くらい」

 冷笑した木南先生の声は低く、暗かった。
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