メーデー、メーデー、メーデー。

 そして溜息を1つ吐くと、オレが飾った花を眺める木南先生。

 「…綺麗な花だねー。高そう。この花、私じゃなくて桃ちゃんにあげれば良かったのに。馬鹿だねー、研修医」

 木南先生が『フッ』と鼻で笑った。

 …確かに。その手があったか!! と今更思ったが、花の活用法に頭を悩ませていた時、木南先生の顔しか浮かばなかった。

 想いを寄せている桃井さんの顔は、一瞬も過ぎらなかった。

 それはきっと、というか、絶対に木南先生のせいだ。

 木南先生が治療にもオペにも前向きでいてくれたら、この花の半分は木南先生にあげたかもしれないが(元々、木南先生も貰う予定の花だったし)、もう半分は桃井さんに渡していたはずだ。

 なのに、木南先生が治療も手術も拒むから。死にたがっているから。だから、折角のお高い花を全部木南先生に献上する事しか思い浮かばなかったんだ。

 全部木南先生のせいだ。

 木南先生の事が心配すぎて、オレの恋愛がおざなりになってしまっている。

 全て木南先生が悪い。
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