メーデー、メーデー、メーデー。
 
 「…この前私は、『蓮の事で私を責めるだろう木南先生を捨てた』という木南先生の話を『全然違う』と否定しました。『全然』と言うのは嘘だったかもしれません。そんな気持ちが全くなかったかと聞かれれば、そうではなかったと、今となっては思います。でもあの時は、そんな事よりも、あなたにこれ以上辛い思いをさせてはいけないと思いました。私と居たら、いつも蓮の事を思い出してしまうだろう。木南先生から離れる事が木南先生の為なんだ。それが最善なんだと判断し、あなたの気持ちを聞こうともしませんでした。恨まれて当然なのに、あなたに嫌悪される事が怖かった。…だから、『木南先生の為』という自分に都合の良い解釈をして、自分からあなたを避け、あなたから逃げてしまった」

 話し下手な早瀬先生は、遂には木南先生の質問を無視し、自分の言いたい事だけを話すから、会話としては成立しなくなってしまっている。

 あの日オレは早瀬先生に『言いたい事を一方的に話せばいい』と確かに言ったけれど、早瀬先生の不器用具合がオレの想像を越えていた為、早瀬先生がこの話をちゃんと終着点まで導けるのか、かなり不安。
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