メーデー、メーデー、メーデー。
「…『逃げた』事と『捨てた』事は同じ事でしょう?」
迷走する早瀬先生の話に、木南先生も困惑している様子。
「全然違います。私が木南先生を捨てたとしたら、わざわざ転科などしてこの病院に残ったりしません。別の病院に移ります。
木南先生が医者の仕事に誇りを持っている事を、私は知っています。だから、木南先生の気を散らせたくない。木南先生の目障りになりたくない。邪魔をしたくない。でも、木南先生を遠くからでも見ていられる距離にいたいと思って転科したんです。
木南先生が病院を辞めると知った時、木南先生が医者を辞めるわけがないと思って、木南先生が次に行く病院を、知り合いに聞き回ったりしながら血眼になって探したんです。木南先生に嫌がられると分かっていましたが、自分も木南先生と同じ病院に移れたらと思いました。でも、見つからなくて、木南先生は病気になっていて、死にたいだなんて言っていて…」
早瀬先生は、『本当にちゃんと書き出して纏めたのか?!』と確認したくなるほどの語り具合で、終いには言葉が繋がらなくなってしまった。