メーデー、メーデー、メーデー。
「え?」
「だって桃ちゃん、私の事を嫌っているでしょう? 私のお勧めのお店になんて行きたがらないでしょうよ。もし連れて行ってみなさいよ。もう2度とデート出来なくなるわよ」
『自分でチョイスしなさいよ』と、弟分のオレのお願いを断りながらも、オレのデートの成功を願う木南先生。
桃井さんの中にある、木南先生への嫌悪感を取り除きたいなと思った。桃井さんにも、木南先生を好きになって欲しいなと思っていると、
「私、良い店を知っていますよ」
早瀬先生が口を挟んできた。
「あ、結構です。桃井さんが好きだった男の紹介する店の料理は、オレの口には入れられない」
早瀬先生の事は嫌いではないが、兄の様に思えるか? と聞かれれば、無理だ。いくら早瀬先生が桃井さんに気がなくとも、オレからしたらライバルでしかない。
「酷い言いぐさだなぁ」
オレの拒絶に、早瀬先生がしょんぼりしながら苦笑した。