メーデー、メーデー、メーデー。
「殺しません。絶対にそんな事しません。
藤岡さん。藤岡さんに会ってみて欲しい人たちがいるので、今度連れて来ても良いでしょうか? 藤岡さんがこれから生きていく上で、少しでも生きやすい方法を教えてくれる人たちです。1度でいいです。会ってみて、もう2度と会いたくないと思ったら、会わなくていいですから」
答えを見つけられないオレとは逆に、早瀬先生の言葉は途切れない。
「こんな姿で誰かに会いたいわけないでしょう!?」
叫びながら言い返す藤岡さんに、
「藤岡さんの姿を馬鹿にする様な人間を連れてくるはずがないでしょう!?」
早瀬先生が大声で被せた。
「……」
さっきまで穏やかだった早瀬先生の大きな声に、藤岡さんが目を丸くして驚いた。
桃井さんもビックリした顔をしていたから、早瀬先生は滅多に声を荒げる事などない人なのだろう。