アーモンド~キミとの物語~


「わっ!?」

「ごめんごめん、オレだよ」

「秋斗先輩…」

千咲を引っ張って屋台の端っこに連れてきたのは秋斗だった
この人混みの中、みんなとはぐれたらしい

すると、ほのかから電話が掛かってくる

「はい?」

『あ、秋斗?さすがこの人混みの中でみんな探すのは大変そうだから二手に分かれない?』

「二手?」

ほのかの方には創汰と愛未がいる
そして秋斗と千咲

花火大会が終わるまでは合流出来そうにないためこのまま屋台を回って花火を楽しむという話だ

「……ん、分かった。千咲ちゃんはオレに任せて。ああ、じゃあ後で」

そう言って電話を切る
電話の内容が気になった千咲は声を掛ける

「秋斗先輩?」

「ああ、ほのかからで花火大会が終わるまではこのまま屋台回っていいよってさ。それで花火終わったら下の鳥居に集合」

「あ、そうなんですね」

安心させるように説明する
すると、秋斗はスっと手を差し出す

「え…」

「はぐれないようにね?ほのか達からキミのこと頼まれたからさ」

「あ、はい」

一瞬びっくりしたものの千咲は秋斗と一緒なら大丈夫と安心して手を重ねる
秋斗の手はとても大きくて小さな千咲の手を包んでいく

(やっぱり男の人の手だな…)

< 120 / 271 >

この作品をシェア

pagetop