アーモンド~キミとの物語~
パタパタと支度に取り掛かる
天気も良くて朝から来客者が次々と出入りする
生徒の保護者や友だち、他校生やPTAのお偉さんなど色んな人で賑わう
屋台を回る人、体育館でステージ発表を見るもの、定番のお化け屋敷などでキャーという悲鳴など……
千咲たちのクラスも賑わっていた
燕尾服に見立てた衣装に身にまとい「いらっしゃいませ」と挨拶をする
「いらっしゃいませ」
「わぁ。執事だぁ」
「すごーい!」
入ってくるお客さんからの歓声
「かっこいい」や「似合う!」などと大好評だ
女子生徒は髪を一つに結び少し男性よりのメイクをしていた
執事というよりは男装に近い形にしていた
接客していると時折「写真撮りたい!」と声がしてくる
それほど評判が良いという証拠だ
ーーー千咲たちはというと色々屋台をみて回っていた
「あ、これ美味しそう」
「お前…どんだけ食い意地張ってんだよ」
「今日は文化祭だもの、別にいいでしょー?」
たこ焼きを頬張りながら、ほのかが言う
その様子に秋斗はため息混じりで呆れる
千咲、愛未、創汰は二人のやり取りにくすくすと笑う
「あ、そういえば千咲ちゃん午後一緒に回れないんだって?」
二人から聞いたよ、と付け足して言う
「あ、はい。急にクラスの子が来れなくなって…」