ただいま冷徹上司を調・教・中!
平嶋課長は今まで、どんなデートをしてきたのだろう。

本当に疑問に思う。

着いて早々に逸れそうになるし、私が入ったお店に一緒に入ってくることもない。

自分の興味のある店を見つければ、別行動でもいいと言ってくる。

これで何が楽しいっていうんだろう。

そういう時こそストレートに聞けるのが、この関係のいい所でもある。

普段なら我慢して不満を溜め込むことも、私達ならば即その場で解決できるんだ。

「平嶋課長」

「なんだ?」

「どうして私と一緒にショップに入ってくれないんですか?」

私の質問に即答するように口を開いたが、一度飲み込んで言葉を探す。

「興味のない顔でついてこられても迷惑だろ?」

「そりゃ興味ない顔されると迷惑と言うより頭にきます」

「どっちがいいかと聞かれても、結局は自分で決めてるじゃないか。それと違うものを選択したら……怒る」

「なるほど……」

あるあるだな……。

今まで何度も女の逆鱗に触れてきただけのことはある。

「でもそれって、平嶋課長が相手の女性のことを真剣に考えてないからじゃないですか?」

「いや、俺は前も言った通り、女性と適当に付き合ったことはないぞ」

「そうじゃなくて」

平嶋課長の誠実不誠実を指摘しているわけではないのだ。

「結局、相手の着ている服や持ち物に興味がないから、選択を迫られても適当にしか答えられないんでしょ?」

図星を突かれたのだろう。

平嶋課長はぐっと言葉に詰まって眉をしかめた。

「そういうのがわかるから、女性は怒るんですよ。彼女自身だけではなくて、もっと彼女を取り巻くいろんなことにも興味を示してください。女はどうな小さなことにだって興味を持ってもらいたいんですから」

女はデートのために前々からいろんなことを準備する。

自分の体型や顔色、髪型によってファッションを選び抜く。

だからこそ彼には一緒に自分のことをもっと考えてほしい。

男性にとっては面倒くさいことかもしれないけれど、それは女の性と言えるだろう。

「だからこそ、彼のことも知りたいんですよ?別行動なんて以ての外です」

私はニコリと微笑んだ。
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