ただいま冷徹上司を調・教・中!
それからの私達のデートは、驚くほどスムーズに進んでいった。

平嶋課長は苦笑いをしつつも、ショップに入って私の隣で手に取るものを眺めてくれていた。

何度か「これ、どう思います?」と聞くと、たいてい「いいんじゃないか?」と返してくる。

怒らないから、ちゃんと考えて答えてください」

そうお願いすると、それからの平嶋課長は真剣に私を見て考えてくれるようになった。

私がよく着ている服の色や、可愛く見える形など、前々からよく見てくれていたのだということがわかって、とても嬉しく感じた。

平嶋課長はというと、かなりシンプルなものを好む。

無地に紺と赤のワンポイントがメジャーなブランドや、スポーツ選手なんかが着るブランドなど、ほとんどが無地に近いものを選ぶのだ。

せめてもと切り返しやデザインの変わったものを進めてみるが、思い切ることはできないようだった。

ならばと思い、私は平嶋課長に内緒で一番おすすめのシャツを一枚プレゼント用に購入することにした。

毎回私がレジに向かうたびに財布を出す平嶋課長に、「貢ぐのは男の義務じゃないんですからね」と言い放ち、自分のものは自分で購入する。

お昼に食べた生パスタのは絶品で、サラダやスープ、デザートに至るまで全部残さずペロリとお腹にしまった。

そこは気持ちよくご馳走になると、平嶋課長は嬉しいような安心したような表情で笑う。

そんな顔を見ると、少しは甘えた方がいいのかもしれないと思えた。
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