ただいま冷徹上司を調・教・中!
落ち込んでいたって何一つ解決するわけではない。

頭ではわかっているけれど、こんな気持ちのまま平嶋課長にどう接したらいいものか。

全くわからないのだ。

とりあえずスマホを片手に部屋を無駄にウロウロしながら平嶋課長の電話番号を表示する。

通話ボタンをタップしようと何度も何度も試みるが、結果として一度も平嶋課長に繋げることはできなかった。

勢いよくベッドへと倒れ込み、自分の馬鹿さ加減を嘆きながら埋もれていると、いつの間にか深い眠りに落ちてしまった。

翌日土曜日の午前7時。

スマホだけは今日を楽しみにしていたようで、アラームが部屋中に鳴り響いた。

のろのろとスマホのアラームを止めて画面表示を確認するが、やはりあれから一度も平嶋課長からの連絡は来ていなかった。

本当ならば今頃ベッドから飛び起きて、浮かれ気味にデートの準備に取り掛かっていたに違いない。

「なんでこんなことになってんのよ……」

乱れた髪をかき上げて、私は盛大に溜め息をつく。

思い起こせば……。

ほれもこれも全て和宏のせいなんじゃないだろうか。

アイツがあんなことをしでかさなければ、私は今頃るんるんでデートを楽しみにしていたのに。

「別れてもなお、その存在感を出してくんのか……。どんだけ目立ちたがり屋なのよ、あのアホは」

いつもより長めに歯を磨き顔を洗うと、ハリのない肌が気になった。

昨晩はサボってしまったので、今日は朝からお肌のお手入れを念入りにする。

おかげで化粧ノリもよく、いつもならば心が弾むところだが、今日は見せる相手もいない。

デートで着るはずだったワンピースを着てみたが、気分は全然晴れなかった。
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