ただいま冷徹上司を調・教・中!
それからというもの。

私の部屋から帰る凱莉さんに向かって。

「スーツ、ウチに置いてればいいのに」

だとか。

自分の家に送ってもらう時に。

「着替え、置いてなきゃいけないですかねぇ」

だとか。

様々なことを言っては『お泊まり』をチラつかせてみたけれど。

凱莉さんは全然それに対しての反応を見せない。

なのに別れる間際に名残惜しそうにキスをするなんて。

本当に狡い人だ。

モヤモヤと考え出して2週間。

いい加減にキツくなってきた時に思い出した。

妥協をするから、我慢するからいけないんじゃない。

『まぁいいか』『しかたない』

これを卒業するために凱莉さんとこういう形をとったはずだ。

ダメなところもいいところも、お互いに全部さらけ出したこの関係で、一体何を抑え込む必要があるのだろう。

好きが大きくなりすぎて、関係に変化が起きたり壊れたりすることばかりを恐れ始めてた。

私が自分の気持ちを抑えないことで万が一関係が解消してしまったら。

もう一度、私がお仕掛けてしまえばいいことだ。

そう決めてしまえば、ずいぶんと気持ちが落ち着いた。

次の土曜日のデートで。

私は気持ちの全部を打ち明けよう。
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