ただいま冷徹上司を調・教・中!
ずっとこのままキスしてたい。

けれど信号はこっちの都合なんて関係なく変わるわけで。

軽く音を立てて離れた唇を名残惜しく感じた。

……後で私からめっちゃくちゃしてやる。

私の気持ちを話しても、凱莉さんが受け入れてくれるかどうかなんてわからないけれど。

車はゆっくりといつもの駐車場に停車した。

もう、当たり前とでも言うように、私と凱莉さんは車を降りて私の部屋に向かう。

「ただいま」

「ただいま」

まるでここが帰る家でもあるかのように、凱莉さんも最近は『ただいま』と告げるようになった。

なのにここからの『行ってきます』はない。

それがとっても切ない。

苦しい……腹ただしい……いや……もうムカつく?

私は自然の流れで凱莉さんと話せるように、凱莉さんが落ち着いて座った頃を見計らって、冷蔵庫の中に忍ばせてある缶ビールを確認した。

絶対飲ませてやる。

飲酒運転じゃ、絶対に帰れないんだから。

……帰してなるものか。

もはや意地と言えなくもないが、この関係が始まったのも私の意地からだ。

今さら恥ずかしくもなんともない。

「今日はたくさん体動かして気持ちよかったですね。先にお風呂入っちゃってください」

「いや、風呂は家で……」

「この前せっかくおうちセット買ったんですから、使いましょうよ」

「いや、でも……」

「もういいから。さっさと行ってください」

かなり強引に凱莉さんを引き上げると、お風呂場に無理やり押し込んだ。

大人なんだから、いい加減に覚悟しやがれってんだ。
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