ただいま冷徹上司を調・教・中!
急いで、でも丁寧に身体を洗う。

髪を乾かすけれど、全然水分が飛んでくれない。

いつもこんなに時間のかかるものだっただろうか?

もっといいドライヤーにしとけばよかった。

もどかしく感じた私は、半乾きのままリビングに戻った。

「やっぱり……」

私がテーブルに置いたビールには手を付けず、どうやら車で飲んでいたお茶を持って上がってきていたようで、そっちで喉の乾きを潤していた。

まぁ、予想はしていたが、ここまで頑なにだと本気で腹が立つ。

確かにルームウェアでくつろぐ凱莉さんは本当に素敵だ。

たかだか特売2980円のウェアをこんなに完璧に着こなせる男性は少ないだろう。

そりゃ見惚れてしまうのは仕方ない。

けれど、それとこれとは話が違う。

どうして凱莉さんは最後の一線は超えてくれないんだろう。

……あんなことやこんなことしたくせに。

やはり私たちの関係性が曖昧なせいだろうか。

……だったら手を出す前にハッキリさせてくれればよかったのに。

いや、全ては凱莉さんのせいではないとわかってる。

やっぱり私は本当の意味で凱莉さんの恋人になりたい。

「どうした?ぼーっと突っ立って。早くおいで」

そう声をかけられて、私は素直に凱莉さんの横にちょこんと座った。
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